
「自分の葬儀のことを、元気なうちに決めておきたい」「残される家族に、金銭面でも手続きの面でも負担をかけたくない」。そうお考えになる方は年々増えています。ただ、いざ調べ始めると「生前予約」「生前契約」「事前相談」といった言葉が並び、何がどう違うのか分かりにくいと感じる方も少なくありません。
生前予約や生前契約は、ご自身が元気なうちに葬儀の内容や費用を決めておき、いざというときにご家族が迷わずに済むようにしておく備えです。必ずしも大きな金額を先に支払う必要はなく、まずは相談だけという進め方もできます。
この記事では、生前予約と生前契約の違いを整理したうえで、それぞれのメリット、申し込む前に確認しておきたいこと、費用の支払い方の違い、進め方の流れまで順に解説します。まだ何も決まっていない段階の方にも読んでいただけるよう、専門的な言葉はできるだけ避けてご説明します。
筆者 山田 浩貴

株式会社華の誠 代表取締役 山田 浩貴
株式会社華の誠 代表取締役 山田 浩貴
茨木市・箕面市・摂津市・寝屋川市・門真市に根差した地域密着型の葬儀社。家族葬・一日葬・火葬式など、小規模で無理のないご葬儀を中心に、多くのご家族様のお見送りをお手伝いしてまいりました。市営葬儀・規格葬儀・市民葬儀・組合葬儀などの公的制度にも対応し、地域の特性に合わせた最適なご提案が可能です。
突然のことで不安を抱えるご家族様にも安心してご相談いただけるよう、費用や流れをわかりやすく丁寧にご案内することを大切にしています。
生前予約と生前契約はどこが違うのでしょうか
生前予約も生前契約も、法律で定義が定められた言葉ではありません。そのため、葬儀社によって呼び方や範囲が少しずつ異なります。
ただ、一般的には「生前予約」は葬儀の内容そのものを決めておくもの、「生前契約」は葬儀のあとに必要になる手続きまで含めて任せておくものとして使い分けられることが多くなっています。
生前予約で決めておけること
生前予約は、ご本人またはご家族が、葬儀社との間で葬儀の内容をあらかじめ決めておくものです。おもに次のような項目が対象になります。
- 依頼する葬儀社
- 葬儀の形式(家族葬・一日葬・直葬など)
- 利用する斎場(葬儀場)や式場(葬儀を行う部屋)
- 祭壇や棺、遺影写真などの内容
- お知らせする範囲や、想定する参列人数
- 費用の総額と、支払いの方法
決めた内容は見積書という形で残るため、ご家族はいざというときに一から考えずに済みます。葬儀の中身と金額を、落ち着いた状態で確認しておけることが、生前予約のいちばんの役割です。
生前契約に含まれることが多い範囲
生前契約は、葬儀の内容に加えて、亡くなったあとに必要になるさまざまなことまで、あらかじめ任せておく契約を指すことが多い言葉です。
たとえば、ご遺骨の納め方、住まいの片づけ、公共料金の精算といった内容が含まれることがあります。こうした取り決めは「死後事務委任契約」と呼ばれ、葬儀社ではなく士業などの専門家と結ぶ場合が多いです。
おひとりで暮らしている方や、遠方のご家族に負担をかけたくない方が検討されることが多い形です。反対に、近くに頼れるご家族がいらっしゃる場合は、葬儀の内容を決めておく生前予約だけで十分というケースも多くあります。
事前相談との違い
「事前相談」は、契約を伴わない相談のことです。希望を伝えて見積書を受け取るところまでを行い、実際に依頼するかどうかは決めずにおくことができます。
いきなり契約をする必要はありません。まずは事前相談から始めて、内容に納得できたら生前予約に進む、という順序で考えていただいて差し支えありません。

| 呼び方 | おもな内容 | 途中でやめられるか |
|---|---|---|
| 事前相談 | 希望を伝えて見積書を受け取る。契約はしない | いつでも自由 |
| 生前予約 | 葬儀の内容と費用を決めて、書面に残しておく | 変更や取りやめができる場合が多い |
| 生前契約 | 葬儀に加え、その後の手続きなども任せておく | 契約内容によって条件が異なる |
※呼び方や範囲は葬儀社・事業者によって異なります。実際に検討される際は、その事業者が何をどこまで行うのかをご確認ください。
生前に備えておく方が増えている背景

実際のところ、多くのご家族はご逝去のあとに慌てて葬儀社を決めているのが現状です。
全国調査では、喪主を務めた方の63.8%が「葬儀の事前準備をしていなかった」と回答しています。葬儀社を決めた時期も「亡くなった後」がもっとも多く、時間にも気持ちにも余裕がないなかで手配を進めている様子がうかがえます。
また、同じ調査では、87.1%の方が他社と比べずに1社だけで葬儀社を決めていたという結果も出ています。
出典:株式会社鎌倉新書「第7回 お葬式に関する全国調査(2026年)」(直近2年以内に喪主または喪主に準ずる立場を経験した全国の40歳以上の男女2,000名を対象とした調査)
比べる時間がなかったこと自体は、どなたにも起こりうることです。ただ、そのために「思っていた金額と違った」と感じてしまうことがあります。
独立行政法人国民生活センターが2026年6月に公表した注意喚起でも、葬儀の料金に関する相談が高い水準で続いていることが報告されています。同センターは、葬儀の希望を考えて情報を集めておくこと、見積書を必ず受け取って明細を確認することなどを案内しています。
出典:独立行政法人国民生活センター「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル-『家族葬だから安い』と思っていませんか?-」(2026年6月3日公表)
生前予約は、この「情報を集めて、見積書を確かめる」という工程を、時間に追われていない段階で済ませておく備えだと考えると分かりやすいかもしれません。
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生前予約・生前契約のメリット
ご家族が短時間で判断する場面を減らせる
ご逝去のあと、ご家族は搬送先の決定、日程の調整、参列いただく方への連絡などを、悲しみのなかで同時に進めることになります。
葬儀社と大まかな内容が決まっていれば、ご家族は「決める」ことではなく「お別れの時間」に気持ちを向けやすくなります。これは費用面以上に大きな意味を持つことがあります。
費用の全体像を落ち着いて確認できる
葬儀費用は、プラン料金だけでは総額が決まりません。式場使用料、火葬に関する費用、料理、返礼品、宗教者へのお礼など、状況によって必要になるものがあります。
生前であれば、これらを一つずつ確認しながら、必要なもの・そうでないものを整理する時間が取れます。「この項目は何の費用なのか」「どういう場合に金額が増えるのか」と、納得できるまで質問していただけます。

ご本人の希望を、形にして残しておける
「大きな式は望んでいない」「親しい人だけで見送ってほしい」といったご本人のお気持ちは、口頭だけだとご家族に伝わりきらないことがあります。
生前予約という形で書面に残しておくと、ご家族が「これで良かったのだろうか」と迷う場面が少なくなります。結果として、ご家族が後から悩まずに済むことにもつながります。
複数の葬儀社を比べる時間が持てる
同じ「家族葬」という名称でも、含まれている内容は葬儀社によって異なります。搬送距離、安置(お亡くなりになった方を火葬の日まで安静にさせること)の日数、式場使用料が含まれるかどうかなど、条件はさまざまです。
急いでいるときは、こうした違いまで見比べるのは難しいものです。生前であれば、条件をそろえたうえで総額を比べることができます。

申し込む前に確認しておきたいこと
生前予約は備えとして役立つ一方で、いくつか気をつけておきたい点もあります。あらかじめ知っておけば防げることばかりですので、順に確認していきましょう。
ご家族が知らないままだと、活かされないことがあります
生前予約の内容が実際に使われるのは、ご本人が亡くなったあとです。葬儀社へ連絡するのはご家族ですので、予約したことをご家族がご存じない場合、別の葬儀社へ依頼されてしまうことがあります。
生前予約をされたら、予約した葬儀社の名前と連絡先を、ご家族やご親族に伝えておくことをおすすめします。
書類の保管場所もあわせてお知らせいただくと、より確実です。
費用を先に支払う場合は、返金の決まりを確かめておきましょう
生前予約には、費用を先に支払う形と、支払わずに内容だけ決めておく形があります。
先に支払う形を選ばれる場合は、途中で取りやめたときにどれくらい戻るのか、どのような場合に手数料が差し引かれるのかを、契約前にご確認いただくと安心です。
年月が経つと、内容や料金が変わることがあります
生前予約から実際の葬儀までに、10年以上の期間が空くこともあります。その間に物価が変わったり、利用を予定していた斎場の状況が変わったりすることがあります。
数年に一度は内容を見直せるかどうかを、あらかじめ確認しておくと安心です。
お住まいやお体の状況によって、希望も変わります
お引っ越しや施設への入居によって、利用できる斎場や、市の制度の対象かどうかが変わることがあります。
大阪府北部の各市には、市が費用や内容を定めた公的な葬儀の制度があり、故人さま(お亡くなりになった方)またはご家族の住民登録がある市によって、利用できる制度が変わります。
- お住まいが変わった場合は、内容の見直しをご相談いただくと安心です。

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費用を先に積み立てる方法と、積み立てない方法があります

生前の備えを調べていると、「互助会」という言葉を目にされることがあるかもしれません。ここは迷いやすいところですので、簡単に整理しておきます。
互助会は、毎月一定額を積み立てておき、将来その積立をもとに葬儀などのサービスを利用する仕組みです。割賦販売法にもとづく制度で、運営には経済産業大臣の許可が必要とされています。
一方、葬儀社と直接内容を決めておく生前予約は、積み立てを伴わない形が一般的です。費用はご自身の預貯金などで準備しておき、内容と見積書だけを先に確定させておく進め方になります。
| 確認したい点 | 積み立てる形(互助会) | 積み立てない形(葬儀社との生前予約) |
|---|---|---|
| 毎月の支払い | 月々一定額を積み立てる | 積み立てはなく、必要なときに支払う |
| 積立と葬儀費用の関係 | 積立でまかなえる範囲と、別途必要な費用がある | 見積書の総額をそのまま確認できる |
| 取りやめるとき | 手数料が差し引かれる場合がある | 先に預けた費用がないため負担は生じにくい |
| 物価が上がったとき | 契約時の内容が保たれる仕組みがある | 実施時の料金が適用される場合がある |
※互助会の仕組みは、割賦販売法にもとづく「前払式特定取引」として定められています。積立金の取り扱いや解約の条件は事業者ごとに異なりますので、詳細は各事業者へご確認ください。
出典:経済産業省「前払式取引」に関する公表資料
どちらが良いというものではなく、毎月少しずつ準備したいのか、必要な費用は手元に置いたまま内容だけ決めておきたいのかという考え方の違いです。
どちらを選ばれる場合でも、料理・返礼品・火葬に関する費用まで含めた総額と、途中でやめるときの決まりを確認しておくことが、いちばん大切な点になります。
生前予約を進めるときの流れ

何から始めればよいか分からない、という段階の方も多くいらっしゃいます。おおよそ、次のような流れで進んでいきます。
- 葬儀社へ連絡し、事前相談の日時を決める
- 希望や気になっていることを伝え、内容を一緒に整理する
- 見積書を受け取り、含まれるもの・含まれないものを確認する
- ご家族と内容を共有し、必要であれば調整する
- 納得できた段階で、生前予約として書面に残す
- 予約したことと連絡先を、ご家族にお伝えしておく
この段階で必ず決めておかなければならないことは、実はそれほど多くありません。参列される方の人数や日程が分からなくても、状況を伺いながら一緒に整理していくことができます。
見積書を受け取る際には、次の点を確かめておかれると安心です。
- プラン料金に含まれているもの
- 別途必要になるもの(式場使用料・火葬に関する費用など)
- 参列人数によって変わる項目と、その単価
- 安置の日数が延びた場合の、1日あたりの費用
- お身体の保冷のためのドライアイスが何日分含まれているか
- 現在分かっている条件での、最終的な総額の見通し
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華の誠の事前相談について
華の誠では、無料の事前相談を承っています。まだ何も決まっていない段階でも、ご希望や気がかりな点を伺いながら、必要な内容と費用を一緒に整理していきます。
華の誠の見積もりは、決まったひとまとまりをそのままご利用いただくだけではなく、物品ごとに料金を明記し、必要なもの・必要でないものを選んでいただける形にしています。「これは外せるのか」「追加するといくらになるのか」といった点も、お手元の見積書を見ながらご相談いただけます。
何から考えればよいか分からない段階でも、状況を伺いながら一つずつ整理していきます。数字だけの資料ではなく、ご家族が納得できる形でお見送りを迎えられることを大切に考えています。
また、華の誠は茨木市・摂津市・箕面市・寝屋川市・門真市・守口市・大東市・四條畷市・その他(大阪府下、近畿一部も対応)をはじめとする各市の公的な葬儀の制度に対応しています。お住まいの市によっては、市が費用と内容を定めた制度を利用することで、費用を抑えられる場合があります。生前のご相談の段階で、対象になるかどうかもあわせてご確認いただけます。
華の誠でご用意している葬儀の形式やプラン内容については、葬儀プラン一覧からご確認いただけます。事前相談の進め方について詳しく知りたい方は、下記のページもあわせてご覧ください。

※対面での事前相談は完全予約制です。ご自宅など、ご指定の場所へ伺うこともできますので、まずはお気軽にご連絡ください。
生前予約・生前契約についてよくあるご質問
- 生前予約をすると、必ずその葬儀社に依頼しなければならないのでしょうか
-
多くの場合、内容の変更や取りやめができます。ただし、費用を先に支払う形の場合は条件が異なることがありますので、申し込む前にご確認いただくと安心です。まずは契約を伴わない事前相談から始めていただくこともできます。
- 葬儀の形式も予算も決まっていませんが、相談してもよいのでしょうか
-
もちろんご相談いただけます。何を確認すればよいか分からない段階の方が、むしろ多くいらっしゃいます。状況やご意向を伺いながら、必要な内容と費用を一つずつ整理していきますので、決めてからお越しいただく必要はありません。
- 生前予約をすると費用は安くなりますか
-
割引が用意されている場合もありますが、金額そのものより「総額を落ち着いて確認できること」が生前予約の大きな利点です。急いで決めた場合に起こりやすい、想定より高くなったという事態を避けやすくなります。
- 本人ではなく、家族が申し込むことはできますか
-
ご家族からのご相談も承っています。ご本人のお気持ちを確かめられる状況であれば、ご一緒に内容を整理していただくと、後々の迷いが少なくなります。ご本人に伝えづらいという場合も、まずは状況をお聞かせください。
- 予約した内容は、あとから変えられますか
-
ご希望やご事情は年月とともに変わるものですので、見直しをご相談いただけます。お引っ越しやお体の状況が変わったときは、あらためてご確認いただくとよいでしょう。
- 家族に知らせずに、自分だけで決めておいてもよいのでしょうか
-
決めていただくこと自体は差し支えありませんが、実際に葬儀社へ連絡されるのはご家族です。予約した葬儀社の名前と連絡先、書類の保管場所だけでもお伝えいただくと、ご希望が確かに届きやすくなります。
- 相談したあと、断りにくくならないでしょうか
-
華の誠の事前相談は、情報のご提供とご助言を目的としており、費用は発生いたしません。ご納得いただけるまでお話しいただけますので、安心してお尋ねください。
まずは相談だけ、という進め方で差し支えありません
生前予約は葬儀の内容と費用を決めておくもの、生前契約は葬儀のあとの手続きまで含めて任せておくものとして使い分けられることが多い言葉です。いずれも、ご家族が短い時間で多くのことを判断せずに済むようにするための備えです。
大切なのは、金額の安さだけで決めることではありません。プラン料金に何が含まれているのか、どのような場合に費用が増えるのか、最終的な総額はいくらになりそうなのかを、落ち着いた状態で確認しておくことです。
あわせて、予約した内容をご家族にお伝えしておくこと、年月が経ったら一度見直すことも忘れずにおきたい点です。
まだ何も決まっていない段階でも、ご相談いただけます。ご意向や状況をお聞きしながら、必要な内容を一つずつ整理してまいりますので、些細なことでもまずはお聞かせください。華の誠は24時間365日、無料でご相談を承っております。
監修者 髙橋 亮

株式会社ディライト 代表取締役 髙橋亮
株式会社ディライト 代表取締役 髙橋亮
葬儀業界が抱える人材不足と集客という2つの課題に対応すべく、葬儀業界専門の人材派遣や集客支援を2007年より行う。
中でも葬儀社比較サイト「葬儀の口コミ」は、公平性を担保した評価システムを採用し、業界最大級の利用者数を有するプラットフォームとして高く評価されている。
