喪服は何を着る?葬儀の服装マナーを男女別に分かりやすく解説

訃報を受け取ってまず気にかかるのが、当日の服装ではないでしょうか。「手持ちの黒いスーツで大丈夫だろうか」「真珠のネックレスは必ず必要なのだろうか」と、失礼があってはいけないと思うほど迷ってしまうものです。

先にお伝えしておきますと、葬儀・告別式では「準喪服」と呼ばれる装いが現在の基本です。男性は光沢のないブラックスーツ、女性は肌の露出を抑えた黒のブラックフォーマルとお考えいただければ差し支えありません。

この記事では、喪服の3つの種類から、男女別の装い、真珠や小物の考え方、髪型や爪の整え方、お子さまの服装、季節ごとの工夫、そして避けたい装いとその代わりまで順に解説します。迷いやすい点を項目ごとに分けていますので、気になるところからご覧いただければと思います。

筆者 山田 浩貴

株式会社華の誠 代表取締役 山田 浩貴

株式会社華の誠 代表取締役 山田 浩貴

茨木市・箕面市・摂津市・寝屋川市・門真市に根差した地域密着型の葬儀社。家族葬・一日葬・火葬式など、小規模で無理のないご葬儀を中心に、多くのご家族様のお見送りをお手伝いしてまいりました。市営葬儀・規格葬儀・市民葬儀・組合葬儀などの公的制度にも対応し、また弊社は大阪府の公的葬儀契約自治体トップクラスを誇っており地域の特性に合わせた最適なご提案が可能です。
突然のことで不安を抱えるご家族様にも安心してご相談いただけるよう、費用や流れをわかりやすく丁寧にご案内することを大切にしています。


目次

葬儀の服装で押さえておきたい基本

細かな決まりごとは数多くありますが、根本にある考え方は一つです。

黒を基調に、光沢や華やかな装飾を控え、肌の露出を抑える。この3点を意識していただければ、大きく外れることはありません。

ご自身を目立たせる場ではないため、装いは控えめに整えます。判断に迷われたときも、この考え方に立ち返っていただければ選びやすくなります。

喪服には3つの種類があります

正喪服・準喪服・略喪服の違いを男女別に比較した図

喪服は格式によって3つに分けられます。まずは全体像を確認しておきましょう。

種類おもな場面男性女性
正喪服もっとも格式の高い装い。近年は着用の機会が少なくなっていますモーニングコート/黒紋付羽織袴格式を意識した黒無地のブラックフォーマル/黒無地の着物
準喪服現在もっとも一般的。通夜・葬儀・告別式で、ご家族から参列者まで幅広く着用されます光沢のないブラックスーツ光沢のない黒のワンピース、アンサンブル、スーツ
略喪服急な弔問(お悔やみを伝えに訪ねること)や、「平服で」とご案内があった場面黒・濃紺・濃いグレーのスーツ黒・濃紺・濃いグレーのワンピースやスーツ

喪主を務められる方も一般の参列者の方も、現在は準喪服を選ばれることが多くなっています。お手持ちの喪服が準喪服であれば、そのままお召しいただいて差し支えありません。

「平服でお越しください」とご案内があった場合、普段着という意味ではありません。
黒や濃紺など、落ち着いた色合いの略喪服をお選びいただく形になります。

男性の服装

身に着けるもの基本控えたいもの
スーツ光沢のない無地のブラックスーツ。シングル・ダブルのどちらでも構いませんストライプなどの柄、光沢の強い素材
ワイシャツ白無地の長袖。襟の形は一般的なもの色柄物、ボタンダウン
ネクタイ光沢のない黒無地。結び目のくぼみは作りません柄物、光沢のある素材、ネクタイピン
ベルト黒無地で、留め具が目立たないもの大きな留め具、目立つ模様
靴下黒無地。座った際に肌が見えにくい丈白、柄物、短い丈のもの
靴黒のシンプルな革靴。金具のないもの光沢の強い素材、目立つ金具、スニーカー
時計外すか、目立たないシンプルなもの大きなもの、金色のもの、宝石のついたもの

ここで迷いやすいのが、お仕事で使っている黒いスーツで参列してよいかどうかという点です。

礼装用のブラックスーツは、仕事用の黒いスーツよりも黒が深く、並べると違いが分かります。ただ、急な訃報でご用意が難しい場合は、光沢や柄の少ない黒いスーツに白いシャツと黒いネクタイを合わせていただければ、失礼にはあたりません。

葬儀に参列する男性と女性の基本的な準喪服

女性の服装

身に着けるもの基本控えたいもの
喪服光沢のない黒のワンピース、アンサンブル、スーツ。襟元は詰まり気味、袖は七分から長袖、丈は膝が隠れる程度袖のないもの、深く開いた襟元、短い丈、透ける素材
パンツスーツ着用していただけます装飾の多いもの、細身すぎるもの
ストッキング薄手の黒。伝線に備えて予備があると安心です素足、肌色、柄やラメの入ったもの
靴黒のシンプルなパンプス。3〜5cm程度の安定したヒールつま先の開いたもの、サンダル、細いヒール、目立つ装飾
バッグ黒で小ぶり、光沢と金具を抑えたもの大きなブランドの表示、光沢の強いもの

パンツスーツについては、以前は避けるべきとされることもありましたが、現在は着用していただける装いとして案内されています。スカートのほうが格式は高いとされますが、受付などで動かれる場合はパンツスーツのほうが実用的なこともあります。

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真珠は、必ず身に着けなければならないものではありません

葬儀に参列する際の髪型・お化粧・爪の整え方

ここは、思い違いをされている方が多い部分です。

葬儀で真珠のネックレスを必ず身に着けなければならない、という決まりはありません。本来は結婚指輪以外の装身具を身に着けない装いが基本とされており、何も着けずに参列されても差し支えありません。

種類考え方
結婚指輪身に着けたままで差し支えありません。華やかな design のものは外す判断もあります
真珠のネックレス着けるのであれば一連のもの。白・グレー・黒など落ち着いた色を選びます
二連・三連のネックレス重なることを連想させるとして避ける習わしがあります
イヤリング・ピアス着けるのであれば、揺れない一粒のもの。着けない選択でも問題ありません
金色のもの、大ぶりの宝石華やかに見えるため控えます

男性のネクタイピンやカフスも、光るものにあたるため外していただくのが一般的です。

お手元に真珠がないからといって、慌ててご用意いただく必要はありません。

小物の選び方

小物基本控えたいもの
バッグ黒で小ぶり、光沢と金具を抑えたもの。布製がもっとも無難とされます。荷物が多い場合は黒無地の手さげを添えます目立つブランドの表示、動物の柄
ハンカチ白または黒の無地。控えめな刺繍程度であれば問題ありません派手な色柄
袱紗(ふくさ)紺・深緑・グレー・紫など。紫はお祝いの場でも使えます赤やピンクなど明るい色
数珠仏式では、ご自身の宗派のもの。宗派が分からない場合は略式のもので差し支えありません他の方からお借りすること
傘黒・紺・グレーなどの落ち着いた無地明るい色や柄物

「革製品はすべて避けるべき」と書かれているのを目にされることがありますが、これは誤解を招きやすい説明です。黒のシンプルな革靴は、男女とも一般的な礼装です。控えたいのは、毛皮や動物の柄、爬虫類を思わせる型押しなど、殺生を連想させるものです。

袱紗に包む香典の金額や、香典袋の書き方については、下記の記事にまとめています。

  • 雨の日にビニール傘をお使いになっても、失礼にはあたりません。

髪型・お化粧・爪や香りの整え方

  • 髪型:顔まわりをすっきりと整えます。長い髪は低い位置でまとめ、黒い目立たない髪留めを使います
  • お化粧:つや・ラメ・鮮やかな色を控えた、自然な仕上がりにします
  • 爪:可能であれば落とします。すぐに落とせない場合は、上から落ち着いた色を重ねる方法もあります
  • 香り:強い香水は控えます。お線香の香りを妨げないための配慮です

男性の場合も、整髪料をつけすぎず、ひげを整えて清潔感を保っていただければ十分です。

お子さま・学生の服装

対象服装の目安
中学生・高校生学校指定の制服。学生にとっては制服が正式な装いです
制服のない小学生白いシャツやブラウスに、黒・紺・グレーのズボンやスカート
小さなお子さまお手持ちの中から、黒・紺・グレー・白など落ち着いた色のもの
靴黒が理想ですが、落ち着いた色のスニーカーでも差し支えありません

制服のリボンやネクタイが明るい色であっても、学校指定のものであればそのままで差し支えありません。

お子さまのために新しく喪服をご用意いただく必要はありません。派手な柄やキャラクターの絵柄を避け、清潔感のある服装であれば十分です。

季節による装いの工夫

夏の場合

暑い時期でも、上着を着用し、肌の露出を抑えるのが基本です。露出を増やすのではなく、夏用の喪服や通気性のよい下着で調整していただくのが現在の考え方です。

男性の場合、上着の下は半袖のワイシャツでも差し支えありません。女性の場合、五分袖や七分袖のワンピースであれば、上着なしでも問題ないとされることもあります。

近年は暑さが厳しく、斎場(葬儀場)やご家族から「上着はお脱ぎください」とご案内があることもあります。その場合は、ご案内に従っていただいて差し支えありません。

冬の場合

コートは黒・濃紺・グレーなど落ち着いた色で、光沢を抑えたものをお選びください。毛皮やファーのついたものは控えます。

コート、マフラー、手袋は、会場に入る前に外していただくのが基本です。

女性の黒いタイツは、本来はストッキングより格式が下がるとされています。ただし、厳しい寒さのときや体調に不安がある場合は、無理をなさらないでください。

通夜へ仕事帰りに向かう場合

「通夜に喪服で行くと、あらかじめ準備していたようで失礼」という説明を耳にされたことがあるかもしれません。

現在は、通夜でも準喪服で参列されるのが一般的です。そのままお召しいただいて差し支えありません。

一方で、訃報を受けて職場から直接向かわれるなど、ご用意が間に合わない場合もあります。その際は、黒や濃紺など落ち着いた色の服装でも差し支えありません。可能であれば、次の点だけ整えていただくと丁寧です。

  • 柄物のネクタイを、黒無地のものに替える
  • 明るい色の靴下を、黒のものに替える
  • 装身具や時計を外す

家族葬に参列する場合

「家族葬なら普段着でよい」と受け取られていることがありますが、家族葬は参列される方の範囲を絞った形式であって、服装の考え方は一般の葬儀と大きく変わりません。

ご家族から特にご指定がなければ、準喪服をお選びいただくのが無難です。「平服で」とご案内があった場合のみ、略喪服にされる形になります。

家族葬がどのような葬儀なのかについては、下記の記事でご説明しています。

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避けたい装いと、代わりの選び方

葬儀で避けたい服装と代わりに選びたい服装

迷いやすい点をまとめました。何を避けるかだけでなく、代わりに何を選べばよいかもあわせてご覧ください。

避けたい装い理由と、代わりの選び方
Tシャツ、デニムなどの普段着「平服で」とご案内があっても普段着という意味ではありません。落ち着いた色のスーツやワンピースをお選びください
光沢の強い素材華やかに見えるため控えます。光沢を抑えた素材をお選びください
派手な柄、鮮やかな色、大きなブランドの表示ご自身を目立たせる場ではありません。無地で落ち着いた色のものを選びます
毛皮、動物の柄、爬虫類を思わせる型押し殺生を連想させるとして避ける習わしがあります。黒のシンプルな革靴は差し支えありません
二連の真珠のネックレス重なることを連想させます。一連にするか、着けない選択でも問題ありません
肌の露出が多い服装、素足厳粛な場のため露出を控えます。女性は黒いストッキングが基本です
ネクタイピン、大ぶりのカフス光るものにあたるため外します
派手な爪、つやの強いお化粧、強い香り色・光・香りを抑え、目立たない身だしなみに整えます
つま先の開いた靴、サンダル、スニーカーあらたまった場には合いません。黒の革靴やパンプスをお選びください

喪服をお持ちでない場合

急な訃報で、喪服が手元にないという方も少なくありません。

この場合、次のような方法があります。

  • お手持ちの中から、黒や濃紺の落ち着いた服装を選ぶ
  • 紳士服店や貸衣装の店で借りる
  • 葬儀社に相談する

喪服の貸し出しを承っている葬儀社もあります。間に合わないとお困りの際は、一度お尋ねいただければと思います。

華の誠でも、服装や持ち物についてのご質問を承っています。参列されるお立場からのお問い合わせも歓迎しております。

「こんなことを聞いてもよいのだろうか」とためらわれる内容ほど、多くの方が同じように迷われています。斎場やご家族のご事情によって変わる部分もありますので、安心してお尋ねください。

葬儀の服装についてよくあるご質問

仕事用の黒いスーツで参列してもよいでしょうか

礼装用のブラックスーツのほうが黒が深く、本来はそちらが正式とされています。ただし、急なご参列でご用意が難しい場合は、光沢や柄の少ない黒いスーツに白いシャツと黒いネクタイを合わせていただければ差し支えありません。

通夜に喪服で参列すると失礼にあたりますか

失礼にはあたりません。現在は通夜でも準喪服で参列されるのが一般的です。職場から直接向かわれる場合は、落ち着いた色の服装でも差し支えありません。

「平服でお越しください」と言われました。何を着ればよいでしょうか

普段着という意味ではありません。黒・濃紺・濃いグレーなど落ち着いた色のスーツやワンピースをお選びください。光沢や柄を抑えたものであれば安心です。

真珠のネックレスは必ず必要ですか

必要ではありません。本来は結婚指輪以外の装身具を身に着けない装いが基本とされています。着けられる場合は、一連の落ち着いたものをお選びください。

女性はパンツスーツで参列してもよいでしょうか

着用していただけます。スカートのほうが格式は高いとされますが、動きやすさを優先される場合や体調面のご事情がある場合は、パンツスーツをお選びいただいて差し支えありません。

革靴や革のバッグは避けたほうがよいのでしょうか

黒のシンプルな革靴は、一般的な礼装です。控えたいのは毛皮や動物の柄、爬虫類を思わせる型押しなど、殺生を連想させるものです。バッグは黒の布製がもっとも無難とされています。

夏でも上着は必要ですか

基本は着用していただく形です。ただし近年は暑さが厳しく、斎場やご家族から上着を脱ぐようご案内があることもありますので、その際は従っていただいて差し支えありません。夏用の喪服や通気性のよい下着で調整される方法もあります。

冬に黒いタイツを履いてもよいでしょうか

本来は薄手の黒いストッキングが基本とされています。ただし厳しい寒さのときや体調にご不安がある場合は、無理をなさらないでください。会場の雰囲気に合わせてお選びいただければと思います。

子どもは制服で参列してもよいでしょうか

制服が学生にとっての正式な装いです。リボンやネクタイが明るい色であっても、学校指定のものであればそのままで差し支えありません。

家族葬なら私服で参列してもよいでしょうか

家族葬は参列される方の範囲を絞った形式であって、服装の考え方は一般の葬儀と大きく変わりません。ご家族から特にご指定がなければ、準喪服をお選びいただくのが無難です。

黒・無地・光沢を抑える、この3点で判断できます

葬儀・告別式では、準喪服が現在の基本です。男性は光沢のないブラックスーツ、女性は肌の露出を抑えた黒のブラックフォーマルとお考えいただければ差し支えありません。

迷いやすい点をあらためて整理すると、次のようになります。

  • 「平服で」は、普段着という意味ではありません
  • 真珠は、必ず身に着けなければならないものではありません
  • 黒のシンプルな革靴は、一般的な礼装です
  • 通夜に準喪服で参列されても、失礼にはあたりません
  • 家族葬でも、服装の考え方は一般の葬儀と変わりません

作法が気になるお気持ちは、故人さま(お亡くなりになった方)とご家族を思う気持ちの表れでもあります。細かな点が少し違っていたことで失礼にあたるということは、まずありません。

ご不明な点がありましたら、華の誠へお気軽にお尋ねください。参列されるお立場からのご質問も承っております。24時間365日、無料でご相談いただけます。

監修者 髙橋 亮

株式会社ディライト 代表取締役 髙橋亮

株式会社ディライト 代表取締役 髙橋亮

葬儀業界が抱える人材不足と集客という2つの課題に対応すべく、葬儀業界専門の人材派遣や集客支援を2007年より行う。
中でも葬儀社比較サイト「葬儀の口コミ」は、公平性を担保した評価システムを採用し、業界最大級の利用者数を有するプラットフォームとして高く評価されている。

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